Mortal Kombat::Undercovered Series

イントロダクション

モータルコンバットシリーズは大変な人気があり、数多くのシリーズ作品がリリースされている。しかしそれに飽き足らず、既存の作品を改造したり、キャラクターや背景のデータを使用して新たなゲームを作り上げてしまうといった活動が盛んに行われている。またこれとは別に、人気に便乗して作られた「海賊版」も存在する。

海賊版

Mortal Kombat 5

MK3の海賊版の一つであり、NES(米国におけるFC)でリリースされている。タイトルはMK3の「3」の部分を改変したもの。全56キャラが使用可能と銘打たれているが、実際のところ個別のキャラクターは7〜8人程度で、残りはすべてカラーパレットを変更しただけという非常にお粗末な代物である。ゲームとしての完成度も低く、FATALITYも存在しない。

Mortal Kombat Trilogy

先に挙げたMK5(海賊版)と同じエンジンを使用して作られた海賊版。登場キャラクターは16人だが、実質数は8人で残りはやはりカラーパレットが違うだけの水増しである。この作品にはFATALITYが存在し、本家と同様にKO後に決めることができる。しかし、シンデルなどの女性キャラクター相手に対しても「Finish Him!」と表示される等、やはり作りこみはお粗末である。

Mortal Kombat

初代モータルコンバットの海賊版。比較的忠実な再現が成されているが、FATALITYは存在せずゲーム性も低い。ゲームエンジンは先に挙げた二つのものと同じで、キャラクターの不自然な動きなどにその共通性を見出すことができる。有名な非ライセンスの格闘ゲーム「Kart Fighter」と同様のものであり、先の二種と合わせて同じメーカーが製作しているものと考えられる。

Mortal Kombat II

MK2の海賊版。MK2由来の12人のキャラクターに、キンタロー(名前はゴローになっている)とシャオ・カーンを追加した14人のキャラクターが使用できる。珍しくパレット・スワップによる水増しが存在せず、他の作品では見られない出血表現もある。が、根幹部分はやはり先に挙げたものと同様で、完成度は低い。このROMをさらにハックしてキャラクターを56人に水増ししたものも存在する。

ハック版

Ultimate Mortal Kombat Trilogy

Genesis版のUMK3を改造したもので、MK1からMKTまでのすべてのキャラクターが使用できるという特徴を持つ。MK1リュウ・カン対MK3リュウ・カンといった作品を越えた対戦も可能となっている。FATALITYについても、原作に存在したものはすべて再現され、それに加えて新たなFATALITYが大量に追加されている。さらに、全キャラクターについてFRIENDSHIPやBABALITYなどの特殊Finisherが加えられ、ほとんど別物といえる状態にまで改造されている。ファンの手によって作られたものであり、非公式のハック版でありながら人気は高い。

Ultimate Mortal Kombat II

Genesis版のMK2を改造したものであり、ヌーブ・サイボットやジェイド、シャオ・カーンといった原作におけるCPU専用キャラクターのプレイアブル化、MK1のステージ追加、Brutality及びMercyの追加などが行われている。MK2には存在しなかったボタン・リンク・コンボやラン、さらにはエンデュランス・マッチも実装され、ゲームシステムの根幹に至るまで念入りに改造が施されている。追加されたフィーチャーが多くそれなりに有名であるが、細かな箇所に不具合も見られる。

Mortal Kombat II - Challenger

アーケード版のMK2のハック版であり、カプコンの「ストリートファイターII」シリーズにおける所謂「ストIIレインボー」的な位置付けに当たる。アッパーカットの極端な高速化、隠しキャラがほとんど無条件で対戦相手として登場する、シャオ・カーン戦の直前以外でもキンタローが登場する、FATALITYの入力受付時間が無制限、ジョニー・ケイジのアッパーカットの影が常に赤い、Dead PoolにおけるStage Fatalityが見えなくなった相手に対して何度でも決まるなど、かなり多くの変更が加えられている。(参考:Mortal Kombat II- Challenger

その他

Mortal Kombat Project

Elecbyteというグループが開発した汎用格闘ゲームエンジン「M.U.G.E.N.」を用いて製作された作品。UMK3及びMKTがベースとなっており、ほぼすべてのキャラクターが登場する。作品の特徴として後からキャラクターやステージを自由に追加できるというものがあり、一定の規格に則って作られたオリジナルのキャラクターが多数存在する(初期状態で原作には存在しないハイドロというオリジナルのサイバネティック忍者のキャラクターが同梱されている)。プレイ感覚はUMK3に近く、MKTのアグレッサー・システムは存在しない。各種のFATALITYも忠実に再現されており、本来の「M.U.G.E.N.」では再現の難しいStage Fatalityについても同様に再現されている(新規のものも追加されている)。ベースとなっているのがアーケード版であるため、キャラクターのグラフィックやサウンドはクオリティが高い。



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